コミュニケーションの定義から

ほぼ日本語になってしまったこの単語ですが、そもそも何を指しているかを全員が共有しているのか疑問です。

便利だから何でもかんでもこの単語のせいにしてしまうこともできます。

「やっぱり、もっとコミュニケーションを取った方がいいですね」

と言われた時に、具体的に何を意味していると考えますか??

声掛けを頻繁にするってことでしょうか?

はたまた、飲みにでも誘って関係性を深めることでしょうか?

私にとって、いえコミュニケーション学者の見解はもう少し深い理解を要求します。

コミュニケーションとは学術的にはメッセージ交換のプロセスだと定義されます。

これは私の感覚ですが、恐らく日本ではコミュニケーションを「関係性を保つ会話」だと捉えているのではないでしょうか。

対して、世界中のコミュニケーション学研究の結果あぶりだされたこの「メッセージ交換のプロセス」は何だか無機質な響きがするかもしれませんね。

ここでまた考えないといけないのは、メッセージとは何かです。

メッセージは日本語で「伝言」とか「贈る言葉」だと思われていることでしょうが、厳密には違います。

メッセージはあくまで言葉に乗っかっている側です。

乗り物に乗っている人間とか荷物だと考えると分かりやすいでしょう。

メッセージは同じだったとしても、どんな乗り物に乗ってくるかで効率や効果が違ってくるのですね。

公共機関である電車で現れるか、タクシーに乗るか、はたまた運転手付きのリムジンで現れるか。

時と場合によって選択肢が多いほど印象を自由に変えられます。

ついでに言えば、どんな服装で現れるかもメッセージを伝えています。

正装で現れるか、盛装で現れるか、はたまた普段着か?

つまり、非言語も少しはメッセージを伝えているのです。

あえて、「少し」と断っておきますが、非言語はあくまで表層的なメッセージしか伝えません。

あなたが何をどう考えているかを伝えるのは言語だからです。

形だけ取り繕ってもすぐにボロが出ます。

その証拠に、非言語にこだわっている人たちは、文字で文章を作成するのが苦手です。

で、このメッセージとは言葉に乗っかった「意図」と解釈すべきです。

自分の意図を言葉に乗せて相手にまで移動させる過程をコミュニケーションと捉えると、日本語で言うコミュニケーションが少し違う方を向いているとお気づきでしょう。

日本の場合は、関係性重視の文化ですからコミュニケーションに人間関係を重ねてしまうのですね。

そのため、日本語でメッセージを伝える際には「言わなくても分かってもらえるだろう」が顔を出します。

相手が解釈してくれることを期待しているのです。

さぁここでもう一歩踏み込んでみましょう。

意図と言葉の関係です。

頭の中で考えている段階ではまだ言葉になっていませんので、コード化(または言語化)が必要です。

つまりどんな語彙を選ぶかです。

考えを100%もらさず言葉に変えるのでしたら、たくさんの語彙が必要ですよね。

一つの単語が持っている意味は限られており、言い方次第で意味が変わるなんてのには合理性がありません。

でないと、「そんなつもりで言ったんじゃないだから~」と誤解を生みます。

「やばい」で「危ない、美味しい、驚くべき、不味い、圧倒的…」のどの意味で解釈してほしいかを相手に委ねるのが、残念ながら今の日本です。

「普通に」もそうです。

自分の意図(メッセージ)を象徴する最適な表現を見つけられたら、相手に意味を損なうことなく伝えることができ…るはずです。

それができないこともあります。

なぜなら、相手の解釈がここで求められるからです。

向こうの解釈ができない理由はたくさんあります。

そもそもその言葉を知らなかったら、意味をくみ取ることができません。

だから難しい四字熟語を使って語彙を増やしたつもりでも、ただの自慢にしか聞こえないこともあります。

相手が集中できる環境を整えることも必要です。

相手が「別にこのメッセージ交換のプロセスに積極的に参加しなくてもいいかな」と思うのであれば、解釈は進まないでしょう。

だからプレゼンで原稿を読むのは無駄なんです。

だって、話し手の方を見てなくてもいいわけですから。

この過程が何度も繰り返されるのがコミュニケーションなんですね。

そしてこれを上手く続けられるのがコミュニケーション能力の高さなのです。

ほら、コミュ力が単なる「場の雰囲気を作る上手さ」とは違うことが見えてきたでしょ?

外来語をカタカナで使うのは厄介です。

都合よく日本語に変化させて使われることが多いからです。

あなただけの貴重な意図や考えを相手に伝える術を磨くことこそ、コミュニケーションの学びです。

パブリックスピーキングは、俗に言う「なあなあ」で伝えようとするのではなく、相手が誰であろうと自分のメッセージを伝える場面です。

日本でこれを学術的な視点で学べるのは、大学以外ではCSAだけです。

だからこそCSAは強いメッセージを発信できる人材育成にこだわります。

信頼、魅力、リーダーシップ、判断力、洞察力に加え、いかなる話題にも対応できる柔軟性を手に入れたいのであればCSAパブリックスピーキング道場へご参加ください。

コミュニケーションに関するあなたの悩みを一気に解決します。