根強いジェンダー差別
最近では学校で生徒を男女分け隔てなく「~さん」で呼んでいるようですね。
これには私は賛成です。
下の名前に「~さん」をつけるともっと明確に誰のことを言っているのかが分かるのではないかといつも思っています。
ただ、それでは日本の場合まだ上手くいかないことがあるようです。
今でも女性〇〇、美人〇〇などの思いっきり偏見に基づいたジェンダー差別が一般的に使われています。
こうした表現に眉をひそめる人たちが少し出てきたようですが、残念ながら日本社会の動きは鈍い。
性差を出さずに「医者」というと、無条件で男性を考える人が多いのでしょうね。
「博士」と聞いたら、この国ではほぼ間違いなく、白衣を着たおじいさんを想像されるようですが、私も博士なんです。
私の知り合いには女性の博士もたくさんいます。
なんなら男性か女性か分からない博士も何人か知っています。
学校にはせっかくいい傾向が出てきましたが、社会全体がまだ男中心です。
日本は男性が中心でないといけないし、女性はサポート役でないといけない、と考えてきた国だから、政治家はおじさんっばっかり。
こりゃ他の国よりも強い伝統だし、しばらく変わりそうにありません。
ディズニーへの批判
こうした動きは20世紀後半からアメリカで指摘されていたのですが、その典型がディズニーに対しての批判でした。
例えば、白雪姫には社会的性差が色濃く描かれています。
白雪姫はか弱く描写され、健気で、いつまでも男性を待ちわびる存在です。
いつの日か白馬に乗った王子様が現れるのを待っているわけです。
同じような描き方はアラディンにもシンデレラにも人魚姫にも出てきます。
それを見た男の子は、将来の自分の姿をそこに投影し、強くなることを夢見ます。
女性よりも先に歩き、社会では自分の方が優勢にあると考えるわけです。
これが刷り込まれるから社会的性差が生まれてしまうのですね。
だから英語圏ではこうした違いを可能な限りなくそうとしています。
言葉を変えるのは社会制度ほど難しくありませんので、女性医師、女医、美人女医なんかは早く無くした方がいいですね。
ご主人、奥さん、などの呼びかけも同じですね。
まだ日本は時間がかかりそうです。
【筆者紹介】
野中アンディ
(一般社団法人 コミュニケーションスキル協会 代表理事)