私、野中アンディは福岡貿易会主催の講座「海外で戦うための英語プレゼンテーション」を担当させていただいています。
今回も、素晴らしい参加者が揃いましたよ。
福岡貿易会には福岡を拠点として、輸出入に関わる企業が加盟しています。
そこでの講座を担当させて頂いているのです。
福岡に住んでいたら誰もが知っている有名な企業ばかりが今回は集まっています。
そしてとにかく彼らの英語が素晴らしい。
こんな講座を担当でもしないとで出会うことすら難しい、英語レベルの高い方たちが集結しています。
今回は英語と日本語を半々で授業を進めますので、募集の段階でTOEICで高得点取得した方に限定しています。
授業の初めは英語で話している私が突然日本語に変えます。
やはり細かな説明は日本語がいいですからね。
全6回コースで世界で通用するプレゼンテーションを学んでいただきます。
今回は英語の勉強ではなく英語での勉強です。
で、世界で通用するプレゼンテーションとは、日本でやっていることを単に英語にするだけではありません。
まず日本で考えられている「プレゼンとは資料の説明」の考え方を根本から変える必要があります。
言葉を重視する欧米では、論理的で修辞的な原稿を書くところから始まります。
その論理を基本から学んでいただきます。
同時に修辞、つまり言葉の適切な飾りつけの感覚を習得します。
まずは日本語でできるようにならないと英語では絶対にできません。
先週から今週にかけては欧米式自己紹介をお伝えしました。
日本では自己紹介と言うと、名前言って、社名言って、仕事内容を言って、趣味を言うくらいでしょうか。
仮に1分与えられてその時間を有効に使おうとしても、これでは世界では通用しません。
だいたい、自己紹介にやり方があるだなんて、日本ではあまり考えられていませんよね。
ところが、欧米では中学校でみんな学ぶんです。
なぜなら自己紹介は人生において最も頻繁に行うパブリックスピーキングだからなんですね。
社会に出て一人前の社会人として働くのなら、当然のように説得力ある話をしないといけません。
でも、これを学校教育でやっていないから日本人は自己紹介すらまともできない人が大勢います。
見よう見まねで雄弁に話しているフリをしている人もいますが、実はそう思っているのは自分だけ。
だからアメリカの中学校で教えられている世界基準の自己紹介法を日本語で学ぶ必要があります。
母語である日本語でできない限り、外国語でできる訳がありませんからね。
それを英語にするのですが、それを辞書を引いて英語にする必要はありません。
そんなのA.I.にやってもらえばいいんですよ。
そして自然な英語をそこで学べばいいんです。
つまり、これからいつでも使えることができる世界基準の自己紹介が日本語と英語で手に入るのです。
日本語で論理と修辞をしっかりできていたら生成A.I.も正確に訳してくれます。
でも日本と同じ自己紹介を英訳しても、趣味とか好きな食べ物とか言うのだったら海外の人たちには時間の無駄だとしか思われないんですね。
で、どんな自己紹介になるかと言うとこんな例を今回は使いました。
ドイツの家具メーカーで営業を担当している〇〇と申します。ヨーロッパ独特の感性に基づいたデザインによって多くのファンの皆様から支持を頂いています。お陰様で国内の店舗数も順調に増加しています。
コロナ禍で多くの方が自宅での勤務を余儀なくされましたが、座ったままの姿勢による不具合が続発したと報告されています。これは座りやすさの配慮に欠けた商品の蔓延を象徴しています。
この課題解決の鍵は人間工学が反映された工業デザインの推奨です。長時間続く同じ座り方がもたらす疲労を極限にまで減らす構造とユーザーを魅了する形状の両立が弊社の製品には結集されています。どうぞ実際に座ってお試しください。
3つの段落でできていますが、それぞれ①背景、②社会課題、③解決策、です。
自分の仕事の価値が相手に伝わりやすくなる工夫の一つです。
分けて話すから話題が重なることはありません。
それどころか、語彙の重なりもありません。
そして知的に感じませんか?
何なら日本語なのに英語っぽく感じませんか?
これは「私は~思います」を使わずに、抽象名詞と客観的な動詞を使っているからです。
今回の講座のために私が5分くらいで勝手に作った、架空の会社に勤める架空の人物の自己紹介です。
この架空の人物を仮に「しんちゃん」と名付けます。
しんちゃんはドイツに行く機会も多いことでしょう。
世界を舞台に市場を開拓している会社ですので、海外の人たちが集まる異業種交流会に参加することもあります。
しんちゃんはそこで注目されます。
話が論理的で分かりやすいから、同業他社だけでなく、他の従業員よりも多くの人から話しかけられます。
そこで次のステップです。
見込み客やバイヤーが来たら言葉で商品説明をするのです。
それがこの講座の後半で学ぶ本格的な商品説明をする英語のプレゼンテーションなのです。
しんちゃんの出世はこれで確実に近づきます。
あなたがもしこの「しんちゃん」だったらどんな未来があるか、想像してみてください。
どんな商品であっても強烈に論理的で修辞的なプレゼンテーションが自在にできる姿を。
日本ではそれを「雄弁に」と形容しますが、雄弁にから連想されるのは恐らく非言語ではありませんか?
いえいえ、本来は勢いやら言い方ではないんです。
使用する言葉だけですので、書いただけで説得力があるのです。
言葉だけで説得力ある話の方法を日本で学べるのは、私の知る限り恐らくCSAだけです。
この講座の経過はまた後日お伝えします。
反応の良い方ばかりですので、今回受講されている方たちが福岡から日本を変えそうな気がしています。
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野中アンディ著「プレゼンのレシピ」をお送りいたします。