日本の公教育を大きく変える人物
広島県の教育長である平川理恵さんは、元々リクルートでトップセールスを残していた営業担当者でした。
その後は留学支援の会社を立ち上げ、さらに横浜市の中学校教員になり、現職に至ります。
社会から完全に取り残された公立学校に新風を吹かせ続けています。
仕事のサクセスストーリーもさることながら、彼女は南カリフォルニア大学(The University of Southern California / USC) の大学院でMBAを取得しています。
世界を見渡し、日本の教育を中から改革しています。
中途半端な改革だったら保守派につぶされてしまうでしょうが、彼女のアメリカ留学の経験は大きな変化をもたらします。
以前、NHKに出演していた際、彼女が言っていたのは、自己肯定感、コミュニケーション能力、クリティカルシンキングの重要性です。
この段階でCSAの考え方と合致します。
彼女がUSCに行った際にこの必要性を感じたはずです。
そしてコミュニケーション能力が言語能力である事実に直面しているはずです。
私はあまり自己肯定感の必要性を前面に出しませんが、それは今誰もが言うからです。
猫も杓子も言いたがるキーワードは私は避けるからなのですが、もともと自己肯定感 (self-esteem)は社会科学では大昔から使われていた考えです。
こうした考えを反映させ、彼女は入試改革を進めています。
内申書をなくし、その代わりに「言葉による自己表現」を作りました。
5分間で自分の考えを言葉にするそうです。
つまりパブリックスピーキングです。
教え方を知らない中学教師は恐らく紋切型の面接対策くらいしかできないでしょうが、それでは教え子は希望の高校に進学できなくなります。
まぁ、受け入れる側の高校教師にそれを分析できるかというとそれも怪しい。
そこで、パブリックスピーキングを学ぶと論理と修辞が身につくから、完全にオリジナルの言葉を作れるどころか、他者とは違う視点を言葉に紡ぐことができるようになるのです。
他の候補者と比べて際立つ存在になるのです。
CSAの時代がすぐそこまでやってきました。
この広島の入試改革は令和5年度入学選抜から導入されるそうです。
詳細はこの動画をご覧ください。
(広島県教育委員会YouTubeチャンネルより)
長い動画ですので25分過ぎくらいからご覧になると自己表現の実態を知ることができます。