使えない英語

あれは、私が25歳ごろの話。

 

アメリカの大学院に行くために塾の講師を

していました。

 

そこで完全オリジナルのリスニング教材を

作ろうと、英語の先生の中でも上の人たちが

会話文を作り、

それをアメリカからやってきた女性と私が

読んで録音しようとしていました。

 

で、忘れもしない、その女性が言ったこと。

 

「この英語、意味が分からない!」

 

そこに書かれていたのは…

 

“It is fine today.  What are you going to do?”

 

この最初の文が全く理解できないということ

でした。

 

特に「It」が何を指しているか分からないのだ

と訴えます。

 

日本の教育ではこれは「天候を指すit」

という名称で教えられています。

 

でも何の情報もなく「今日はそれがいい」と

言われても意味が分からないということ

でした。

 

「ムムッ!そんな英語を自分は

教えているのか!!」

 

と思ったわけです。

 

それから私は日本の英語教育に疑問を

持ち始めたんですね。

 

あ、ちなみにさっきの文は本当はどう言えば

いいのか。

 

それは”The weather is beautiful today”.

です。

 

これで天候を指していることが

分かりますね。

 

文化を考える

日本文化は聞いている人が理解して

あげようとする特徴があります。

 

だから多くを言わなくても伝わって

しまいます。

 

でも英語は全く逆の発想でして、

全部言ってあげないと分からないという

前提のもとにコミュニケーションを

しています。

 

だから論理的に話す必要があるのです。

 

また、だからこそ語彙を増やすことを

求められるのです。

 

日本で「この人話が下手だなぁ」

と思う人はだいたいこのどちらか、

または両方が欠けています。

 

語彙も論理も、現在多くの人々が

身につけたいと関心を持っています。

 

時代が移り変わるに従って、日本式の

「分かってくれるだろう」が通用しない

場面が多く出てきたのです。

 

社会構造も変化し、日本的な雇用関係も

終焉を迎えました。

 

教育も変わりました。

 

生活習慣も変わりました。

 

世界はとんでもないスピードで

変化しています。

 

世界から大勢の人がやってきて、

同質ではない世代や価値が

入り混じっています。

 

ビジネスでもグローバル化が進み、

世界の情報にアクセスできます。

 

だから言わなくても当然という

コミュニケーションが

通用しなくなってきたのです。

 

コミュニケーションスキルを

伸ばすのであれば論理と語彙を

訓練するのが一番の近道。

 

そしてそれはプレゼンテーションが

最も効果的なんですね。

 

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