STEMとは
Science, Technology, Engineering,
Mathematicsの頭文字です。
科学、先進技術、工学、数学。
つまり理系科目を表す科目です。
今、とんでもないスピードで日本から
このSTEMへの関心が低下しています。
ビジネスを学ぼうとする人たちが
増えているのですが、
そもそも少子化ですのでビジネスへの偏重が
顕著なのです。
今年から外国人労働者が大量に日本に
やってきます。
彼らが日本にもたらす恩恵は甚大です。
多くの面でこの国を救ってくれる
ことでしょう。
ただ、これは将来の日本に対する
一抹の不安を同時に暗示しています。
メディアでは介護や工場など日本人労働者の
担い手が少ない分野で活躍することが
繰り返し主張されていますが、
この国の産業を根幹から支えるSTEMが
弱くなるのは国家の危機と言っても
言い過ぎではありません。
日本に欠けたところを補う中で、
日本人はその分野で彼らには
勝てなくなるのです。
介護や生産ラインの話ではありません。
ゼロから製品を作り出す
最も重要な過程です。
他にもある日本に欠けているところ
日本には天然資源がありません。
でも「メタンハイドレートが発見された!
これが日本を救う!」と
一時期騒ぎになりました。
確かに日本近海に多くの
メタンハイドレートが
埋蔵されているようです。
でもこの使い道が今のところないのです。
だってこれに頼ろうとしているのは
日本だけですし、
その使用法を誰も考えきれないからです。
当然採掘に必要な技術を開発する必要も
あります。
そんな話をしたら「日本人は賢いから、
その人的資源がある」と言う人がいました。
果たしてそうでしょうか。
「とりあえず海外から来た人と
話してみようか?」と答えました。
これまでに日本が世界を変えたような
大発明をしたことがどれだけ
あったでしょうか?
今、自分の周りにある数々の便利な生活は
ほとんどが欧米由来です。
スマホ(iPhoneなど)、
パソコン(apple, Microsoftなど)、
配送サービス(amazon)などなど。
LINEも元々は韓国のNAVERです。
WiFiもオーストラリア人の発明です。
世界中の生活を一変させる発明はどれも
日本発ではないのです。
そしてそれらは全て技術者が
開発しているのです。
日本では2020年に小学校でプログラミング
が必須科目となります。
でも欧米では10年ほど前かなされていることです。
特にイギリスではITのリテラシーがあれば
いいというわけではなく、
全ての国民がそれを作り出す側に
ならないといけない、
という考えに基づいてプログラミング教育
義務化政策がとられました。
ここは私の推測ですが、恐らく日本では、
「海外でそうやってるから」という
前例主義でしょう。
働き方改革も欧米と比較して
労働時間が多すぎる、というのが
その背景であり、日本が問題点を見出して
いるわけではありません。
元号が変わっても、変えるべきところが
全く変わっていない日本社会に
今あえて警鐘を鳴らします。