文化的特徴

災害などの時にレポーターが現場に行き、

そこから中継で報告します。

「現場は雨風が非常に強くなってきている状況です。

水嵩も増えている状態です。ご覧ください、

あの崖が崩れそうな状況です。

あぁ、風が強くなってきました。

こうした状況がまだまだ続きそうです。

以上現場でした!!」

「…。はい、現場は大変な状況が続いている

ようですね。さて、スポーツです!」

 

ほんの数分のうちに何度も状況や状態が出てきても

誰も何とも思わないのでしょうか?

状況と状態は基本的には同じです。

どちらも様子を示します。

現状も同じです。

 

日本語でこれが多用される理由の初めに

挙げられるのが、日本の「なる文化」という特徴です。

日本文化は自ら行動を起こすのではなく、

自分ではない何か別の力が働いていつの間にか

「そうなる」ことを好みます。

「私たち、結婚することになりました」という招待状を

もらったこともあるでしょう。

自分たちの決断であるにもかかわらず、

あたかも別の誰かがセッティングしてくれたかのようです。

「結婚することにしました」とか「結婚します」

のほうが潔さが感じられます。

 

「こちらポテトになります」

「お出口はこちらになります」

「お世話になります」

など、挙げればキリがありません。

 

その「状況/状態になる」と表現するのが

ぴったりと当てはまるのですね。

 

文法的特徴

英語は名詞を修飾する部分が長いと、一旦名詞を

出したら後ろから説明します。

これを関係代名詞と言います。

 

でも日本語にはそれがないため、最後まで待たないと

名詞が出てきません。

ターゲットとなる名詞が確定しないまま見切り発車で

文が作られるため、節(文の中の文)が名詞の前に

来る際には選択肢がなくなるのです。

だからオールマイティな単語ではある状況や状態を

思わず付けてしまいます。

ちなみにコンディションを日本語にしたら

結構多くの人が状態と言いますが、

実はこれを日本語にすると条件です。

でも日本語で日常的に条件という単語を用いる人は

少ないですね。

「~という状態を打開しないと」だったら「局面」

と言ってもいいはずです。

 

で、それのどこが悪いの?

たまに聞かれます。

「状況や状態を使ったっていいじゃないか!」

 

いえいえ。

それは同じ単語や表現を繰り返すと情報量が

少ないからです。

その結果、何度も同じことを聞かされることと

なります。

時間の無駄であり非効率的です。

 

実は日本語には単語が少ないです。

広辞苑には24万語くらいが収められていますが、

そのうちの4分の1くらいはカタカナです。

この150年くらいの間に無理やり漢字に

当てはめた単語もたくさんあります。

その多くが2語の漢字でできています。

議会制民主主義や警察制度ができたのも

1870年代です。

そんな流れで社会システムと同時に言葉が

たくさん輸入されました。

だから急いで西洋の思想を日本語に訳さないと

いけなかったのです。

で、訳せなかったものがカタカナとして未だに

使われています。

 

でも共通語レベルではなく個人レベルで語彙が

少ないのでは話が違ってきまして、

それは個人の責任です。

 

語彙が少ないと…

で、語彙が少ない人はどう思われるでしょうか。

想像してください。

何でもかんでも「やべぇ」としか言えない人。

美味しいものを食べては「やべぇ」。

不味いものを食べても「やべぇ」。

嬉しくてもピンチを迎えても「やべぇ」。

 

頭悪そうですよね。

 

そうなんですよ。

語彙が少ないと決定的に知性が感じられないのです。

日本人は「状態です」というと難しく表現している

かのように思うようですが、

それを繰り返すことによって何度も聞かされると

「こいつ語彙少ないなぁ」と思われているのです。

 

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