これから必要なスキル
私の親友の息子さんが高校三年生で、
来年から始まる大学生活に向けて
慶応義塾大学の学部説明会に行ったそう
です。
今回は経済学部だったそうですが、
そこで学部長がおっしゃったのが
「これからの時代は英語力とプレゼン力が
求められる」ということ。
今の日本社会が言うプレゼンテーションは
英語でもpresentationではあるのですが、
基本はパブリックスピーキングといいます。
まぁ、どちらも一緒です。
そしてこれらはレトリックという学問が
基となっていまして、
このレトリックはコミュニケーション学の
学問領域なのです。
だからコミュニケーション学を修めようと
するならば、レトリック、
つまりプレゼンテーションはできないと
いけません。
私も大学の世界にいたのですが、
残念ながら前の職場では私以外誰も
英語力とプレゼン力に注目していません
でした。
さすがは慶應ですね。
本質はコミュニケーション学
慶應義塾大学には私の先輩がいまして、
本当のコミュニケーション学が学べます。
杉本なおみ先生といいまして、
アメリカのイリノイ大学で博士号を取った
方です。
コミュニケーション学において世界的に
有名でして、英語もとてつもなく上手です。
実は日本の大学教員のほとんどは英語が
できませんで、自分の論文を翻訳会社に
頼んだりするのが大多数です。
杉本先生は当然そんなことはしませんし、
私もゼロから英語で論文を書いていました。
まぁ、元来大学教員になろうとする時英語の
流暢さは求められていませんが…
青山学院大学の田崎勝也先生も私を
かわいがってくれる先輩です。
彼はハワイ大学で博士号を取りました。
福岡では西南学院大学が英語力とプレゼン力
では高品質の学びを提供しています。
どの先生方も学会で私がお世話になって
います。
いずれの大学も英語力とプレゼン力が
学べます。
大学だけではありません。
小学校も中学校も高等学校も全てにおいて
この二つが今求められています。
世界と比べると日本社会に決定的に欠けて
いる力だからです。
新たな問題が…
でも問題は教師が教えられるかどうかです。
論理的思考、批評的思考、言語表現力の
全てが学べるのはプレゼンテーション教育
だけなのですが、もしプレゼンテーションで
学校がもしパワーポイントの作り方などを
教えたらこの国はおしまいです。
パワーポイントを作るのにいくら時間を
かけても論理的思考や言葉の表現力が
伸びないのは明白です。
世界的に見てパワーポイントを作ってそれを
話すだけがプレゼンテーションだと思って
いるのは日本だけです。
いえ、もしかしたら多くの人たちが
その問題点に気付いているかもしれません。
でもどうやればいいのかを知らないのです。
だって習っていないから。
見よう見まねでプレゼンテーションらしき
ことをやっているだけ。
資料をスライドにたくさん載せて、それを
ハンドアウトとして配っているのにも
かかわらず、スクリーンに書いた文字を
読み上げる。
つまり3つの同じ情報が会場に流れる。
だから話し手がそこに存在する必要も
ありません。
プレゼンテーションはその話し手の価値が
問われるのです。
聴衆にメッセージを伝えないといけないの
です。
そのためには聴衆を見てステージ上を動く。
そのためには原稿など持ってこない。
そのためには原稿をすべて覚える。
そのためには豊富な語彙で論理的に書く。
そのために校正を練る。
いい話題を探すために物事を批評的に
考える。
PBL (Problem-Based Learning) なども
全てこの直線状にあるのです。
色んな表現を用いて、かつ論理的に
書けないのであれば、
色んな表現を用いて論理的には話せません。
本来のプレゼンテーションに資料なんて
無くてもいいのですが、
パワーポイントを作るのであれば原稿を
書き上げた後にそれに合わせた写真を
載せるだけ。
それがTEDなどのプレゼンテーションです。
原稿の書き方は起承転結などでは
ありません。
全く論理的ではないからです。
都合よく和洋折衷などという人がいますが、
それが日本を世界から置き去りにして
います。
日本の復活のカギは進化のみです。
今が大きく変化する時です。
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