人間のコミュニケーションを再考しよう
最近発信力が求められていますね。
総理大臣だけではなく、個人レベルでも今ではSNSや音声メディア、そしてオンライン会議であなたの言葉が問われています。
対面でもクロージングの際に求められるのは言葉です。
自分の熱い想い、商品やサービスの良さ、相手との関係性、すべてを伝えるのは言葉なのですから。
何十年も前から日本で求められているコミュニケーション能力とは、実は言語コミュニケーションを指しています。
振る舞い、表情などの雰囲気に起因する非言語コミュニケーションだと捉える人がこの国では多いですが、実は違うんですね。
そんなものを取り繕うとするからコミュ力が低いだのなんだの言われます。
考えてもみてください。
よくしゃべる人がダラダラと話して結局何が言いたいのかが分からないのなら、それほど苦痛な場面はありませんよ。
僕だったら「要点は何ですか?」と聞きただします。
逆に、時間をかけずに効率よく、分かりやすい話をしてくれる人は心地いいのです。
この秘密が論理的で修辞的に話せるかどうかなんですね。
論理は会話の効率を高めます。
話題の順番がまとまっているから分かりやすい。
これもまた日本では「結論から先に言って後から説明する」が唯一の論理的構造だと信じている人が多すぎます。
それだけでは全く足りませんよ。
順番とまとめ方は訓練が必要です。
ただ、コミュニケーションを完成させるために補うために、発信力の前にもう二つ考えないといけないことがあります。
それが①聴く(知覚する)、そして②判断する、です。
岸田さんは聞くのが得意だそうですが、そこは悪くはありません。
厳密には聞くよりも聴くの方がいいですけどね。
傾聴などと言われる通り、聴くには積極性があります。
そして聴くだけでなく見る行為も必要です。
主体的に見聞きすることで見えてくる課題があります。
問題は次の「判断」ができるかどうかです。
正しい判断には正確な分析と広い知識が求められます。
深い洞察も求められます。
そのために必要なのは批評的思考です。
原因と結果、つまり因果関係を見出す考え方です。
批判的思考とは全く違いますので間違えないようにしてくださいね。
批評的思考は相手の言うことを批判して反論する方法でして、私はそんなことを主張するつもりはありません。
批評的思考は、話している相手の話が「なぜ」そうなっているのか、を考えます。
新しい資本主義、成長と分配、云々は、なぜそれが可能かが明確だったら説得力が増し、分かりやすい話となります。
それが分からなければ単なる絵空事なんです。
そしてそれに納得したら、ようやく発信なのです。
発信は、自分が論理的で修辞的に話せるかが問われます。
パブリックスピーキング道場は、この全てを行う訓練の場です。
毎週与えられる異なる題目に対して、300字程度で文章を書きます。
全て順接でつないでいきます。
実は日本人は逆接がなければ文章を書けない人がほとんどです。
「世の中にはたくさんの〇〇がありますが、△△ほど便利なものはありません」は前半部分は要りません。
「~だと思います。しかし…という面も否めません」も同じ。
逆接の、しかし、だけど、そうは言っても、などがないと話せない、書けないんですね。
これは起承転結の弊害です。
だからどっちに向かっているか分かならい。
分かりやすい話とは一貫性が見える展開なのです。
これを可能にするのが、聴いた後の批評的思考に基づく判断なんですね。
これができるようになると話し下手の日本人が減ります。
上手く話せないと悩む人を新しい世界へ招待できます。
それが、私がこの協会を作った理由です。
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