コミュニケーション能力は再考が必要
新卒採用に関する調査として経団連が社員に求める能力を探っていましたが、20年前からコミュニケーション能力が不動の、断トツのトップでした。
私は事あるごとにこの調査に対して疑問を呈してきました。
というのも、この一言で全部まとめてコミュニケーション能力だと言われても、具体的に何を指しているのかさっぱり分からなかったからです。
ですので、私が企業研修に行く度に、または企業を単に訪問する度に、その会社が考えるコミュニケーション能力が何を指しているのかを聞いて回りました。
その結果、以下のような意見を頂きました。
・空気を読む
・Noと言わない
・引き出しが多い
・場が和む
・一緒にいて楽しい
日本のコミュニケーション能力ってこの程度ですよ。まとめると、結局は「忖度できる」ということですね。
こんな調査をやっていても意味がないとずっと訴えてきました。
厳密にはこれらがコミュニケーション能力なのであれば、習得なんてできるはずがないのです。
かつ、こんな表層的な特徴は中身がスッカラカンで習得する必要もありません。
日本社会はコミュニケーション能力って都合のいい響きだけで、これされば何でもできると勘違いしてきたのです。
でも、確かにコミュニケーションの技術は必要です。
コミュニケーション能力の定義
コミュニケーション能力とは「効果的、かつ適切にコミュニケートできる能力」だと定義されました。
効果的とは無駄をしないコミュニケーションです。
話が長い人っていますよね。
うだうだうだうだ話して、結局何が言いたいのか分からない人。
同時に、適切さとはルールから外れないということです。
その場に合ったコミュニケーションが求められます。
「なんでこいつはこんな場所でこんなことしか言えんのかね?」と言いたくなる人、いますよね。
コミュニケーション能力とはこの二つなんです。
だから、話題を振られたらまず正確な判断力が求められます。
自分で考える力です。
でも、道具を持っていないとそれを表現することはできません。
だから鍛えないといけません。
企業が求める資質・技術・知識
パブリックスピーキングでは与えられた課題に対して、論理的で豊富な表現を用いて自分の独自の考えを言語化する技術を習得します。
で、この調査を経団連がついに止めました。
採用と大学改革への期待に関するアンケート結果(2022年1月18日)↓
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/004.html
経団連のホームページへ遷移します。
17年も連続で同じ答えしか出ないのでは当たり前ですね。
期待する資質、能力、知識の三つを選ばせる方式です。
資質
①主体性
②チームワーク、リーダーシップ、協調性
③実行力
④学び続ける力
⑤柔軟性、など
技術
①課題設定、解決能力
②論理的思考力
③想像力
④傾聴力
⑤発信力、など
他にも異文化理解力や外国語能力も含まれます。
知識
①文系/理系を越えた知識、教養
②専攻分野の基礎知識
③専攻分野の専門知識
④数理、AI等の知識
⑤資格、など
私は個人的にはリーダーシップや学び続ける力は後天的に習得可能だと考えていますので、疑問がありますが、この資質に関しては考慮すべき点が多いですね。
でも、注目すべきは「能力」の箇所です。
これ、全部CSAで学べます。
私がやってきたことは間違いではないことを証明してくれる結果となりました。
ついでに英語も異文化間コミュニケーションも教えています。
CSAはこれからもどんどん進んでいきますよ~。
本来のコミュニケーション能力を前面に出して、適切かつ効果的にコミュニケーションができる人材を育成します。
それはこの経団連の調査結果に合致する人材です。
【筆者紹介】
野中アンディ
(一般社団法人 コミュニケーションスキル協会 代表理事)
子どもから大人までが参加する、言葉が洗練されるオンライン教室「パブリックスピーキング道場」を主宰。アメリカのリベラルアーツ科目である論理、修辞、文法を日本語に応用し、より独自性と創造性の高い言葉の作り方を指導している。現在は認定講師が各自の道場を持ち、言葉の見える化と映像化をテーマに全国に展開中。エグゼクティブ向けパブリックスピーキング、アスリート向けメディア対応などをプライベートレッスンでも教える。超実践的英会話講座「雑談English」シリーズも好評。企業や学校、PTA等講演多数。福岡県春日市出身。詳細はこちら。