彼女の考え
国連気候行動サミットで16歳の彼女が
行ったスピーチが話題になっていますね。
「大人でもあんなにしっかり考えて話せない
人が多いのに…、日本では考えられない
ですね」と
コメントをしている情報番組司会者もいる
ようですが、この件について今回はお話し
します。
なぜならこの短絡的なコメントに
大きな失望を覚え、複数の指摘の必要を強く
感じるからです。
まず、彼女が世界の気候変動を危惧した
のは8歳ごろだそうです。
日本では8歳では子供が気候の変化を問題視
するかどうか、という愚問が同時に報道
されていますが、仮にそうだとしたら大人が
どれだけ同じ問題に注意しているかを先に
考えるべきです。
子どものせいではありません。
親子で気象の話を、世界の話を、家庭で
どの程度話しているかを考えるべきです。
教育は学校でのみ行うのでなく、
その基本は家庭です。
親がどれくらい時間を割いて子どもたちに
教えることができているか。
果たして大人がそれを教えるだけの知識を
有しているか。
「大人でもあんなにしっかり…」というのは
大人は相当話せることが前提かも
しれませんが、最初から大して話せない人が
多いのではないでしょうか？
ここには「一歳でも上だったら無条件で敬う」
という、儒教を曲解した日本の悪しき伝統が
見え隠れします。
また、日本では考え方を子どもたちに
教えません。
にもかかわらず大人になって突然
「論理的思考」や「批評的思考」が求められ
ます。
大人になって使う知識だからこそ学校で
教えるべきなのに。
トゥーンベリさんの話を聞いていたら
批評的思考がしっかりと身についている
ことが手に取るように分かります。
そしてそれが分かるようになるには自らが
批評的思考ができる必要があります。
欧米では小学校から教える内容です。
残念ながら日本ではまだまだ
「先生が言っていることが絶対的に正しい」
と教える教師は多いです。
本当は何も考えずに単に歳を取った
大人よりも、よほど深く考えている
子どもたちの方に価値は見出されます。
欧米人の大人が評価しているのはそこで
あって、話し方だけではありません。
年長者だからという優越感は日本から多くの
機会を奪っています。
彼女の話し方
そして、トゥーンベリさんの話し方にも
同時に脚光が当たっています。
小泉進次郎大臣は「原稿を持ってはいるが
目を落とすことなく…」と指摘して
いましたが、私が今回指摘するのはそこでは
ありません。
先述の司会者は「感情的に話し…」と
言っていましたが、実はそこでもありま
せん。
同じように感情を取り扱いますが、この
スピーチが優れているのは彼女の感情が
前面に出ているからではなく、聞いている
人たちの感情に強く訴えかけるからです。
感情の方向性と言いましょうか、出どころと
言いましょうか。
トゥーンベリさんの感情ではなく「聴衆の
感情に訴えかけている」という点です。
その昔アリストテレスは「人を説得させる
ためには人柄、論理、感情のいずれかに訴え
かける必要がある」と説きました。
日本では「感情がこもったプレゼン」が
優れているという単一的な評価があります。
学校でもやたらと「感情移入」を生徒に
植えつけます。
でもそれは大人になって必要でしょうか？
涙を流すから感動的だというわけではなく、
涙を流さなくても感動的に展開するには
非言語を全て排除しても伝わる必要があり
ます。
非言語を全部取り払うと、残るのはタイプ／
ワープロなどで書かれた言葉です。
つまり書かれた段階で感動的なのです。
アリストテレスが言っていたのはそういう
ことでして、決して「涙ながらに訴える
こと」が優れたスピーチとした訳ではあり
ません。
そして人に伝える／説明する手段を子ども
たちに伝える必要があります。
パワポだけに頼るプレゼンをしている大人
には想像もつかないことでしょうが、
本来プレゼンテーションとは言葉が主体
なのです。
子どもが何を考えるかを手助けする思考法、
そしてそれを言語化する論法、
更には表現するプレゼンテーション法が
現在の日本の子供たちに必要な知識なの
です。
最後に
みんな世界に目を向けよう！！！！！！
海外に憧れ、称賛し、真似するだけでは
なく、日本が世界を変えるような動きを
作ろう！！！！！
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